Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
───高校受験当日


「じゃーん!今日は私が弁当作りました!」


朝早くから目覚ましをセットして、初めて私は一人で作ったお弁当を奈都に見せる。


「嬉しい!ありがとう!」

「お昼はこれ食べて頑張るんだよ!」

「うん!」


いよいよ奈都の高校受験が始まる。

一年間一緒に勉強してきて、挫けずにずっと頑張ってきた奈都を見てきたからか、受ける奈都よりも私のほうが緊張していた。


「受験票持った?」

「持ったよ」

「寒いからカイロもいるよね、後は…」


奈都が優雅に朝ごはんを食べている周りで、私がバタバタと歩き回る。


「おい、もう座ってろよ」


顔を洗ってきたカオルが歯ブラシを口にくわえながら、忙しなく動いている私の腕を掴む。
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