超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


「こんなこと言うと、アンタに負けたみたいで悔しいから、絶対言うもんかって思ってたけど。大事な親友のために、あたしは1番言いたくない言葉をアンタに伝えることにした」

「は?」

「このことは、七海も紗良も知ってるから。本当は言いたくなかったけど、正直に打ち明けたの、今日のために。そうまでしてでも、あたしは乃愛に幸せになってほしいと思ってる。だって、大事で大切な親友だから」

「えっと……」

「でもこの言葉は、もう金輪際、絶対に言わないから。アホ面なんかしてないで、耳の穴かっぽじって、よーく聞いときなさいよ」

 そう言うと夏帆は大きく息を吸い込んで、それから次の言葉とともに吐き出した。

「藤城王河。あたしは、アンタのことが好き」

「え……」

 それは、大きなハンマーで、頭を殴られるような衝撃だった。

「夏帆が俺を好き?」

 夏帆には、また“アホ面”って言われるかもしれないけど、開いた口がふさがらない。

 だって夏帆、電話でも俺に怒ってばかりで、会っても感じ悪い態度しかとらないだろ?

 その夏帆がどうして俺を?

 そんなのきょとんとして当然だと思う。
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