超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
落としていた視線を通りに向けた。
その瞬間、
「あ、乃愛」
俺の目は、男に声をかけられて振り返る乃愛の姿をとらえた。
そのとたん、俺は弾かれたように走り出した。
「乃愛っ」
って愛しい子の名前を呼びながら。
ったく、俺って、ホントわかりやすいよな。
乃愛のことになると、周りが見えなくなるのは昔から。
それで、何度ケンカをしたことか。
今だって、それは変わっていない。
必要とあらば、ケンカも辞さない。
「あの、すみません。この子、俺の彼女なんで。気安く触らないでもらえます?」
鼻息荒く、乃愛の腕をつかんで、背中に隠す。
そんな俺の剣幕に驚いたらしい男は、苦笑いをしながら、すぐに去っていった。
よかった。
出来ればケンカはしたくなかったから。
ホッとして息を吐き出すと、
「あの……王河? なん……で?」
戸惑ったような乃愛の声が、後ろから聞こえた。