超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


「あー、俺は夏帆の代わり」

 振り向いて、乃愛と向き合う。

「夏帆の代わり? え?夏帆どうかしたの? 具合でも悪いの?」

 乃愛の顔がスッと曇る。

 ものすごく心配そうな顔。

「あー、違う、違う」

 俺は両手を振って、夏帆病気説を否定した。

「夏帆は、全然元気だよ」

「え?じゃあ、なんで?」

 と、聞かれても……。

『ん?俺が乃愛に告白をしたいから。好きです!』

 とは、言えるわけがない。

 ここは騒がしすぎる雑踏の中だし、ムードもへったくれも、あったもんじゃない。

 だからここは、とりあえず乃愛を納得させる言葉を口にした。

「俺が乃愛と花火を見たいから。夏帆となっちゃんと紗良ちゃんに代わってもらったの」

 ……って、苦しすぎる、この言い訳。

「え? 夏帆だけじゃなくて、なっちゃんと紗良ちゃんにも!? なんで!? そんなのみんなに悪いよ。王河も行きたいなら、2人じゃなくて、5人で行こうよ」
< 250 / 298 >

この作品をシェア

pagetop