超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡

「……あ。夏帆?あたし乃愛。ね、花火どうしたの?待ち合わせになんで来ないの?具合でも悪いの? え?なに?面倒くさくなった!? えっ?なっちゃんと紗良ちゃんも? だから王河に話を振った。……って、夏帆っ!?」

 そう言ったっきり、切れた電話を見つめて固まる乃愛。

 “面倒くさくなった”って、夏帆、もっと他に言い方があるだろ。

 と俺は苦笑した。

 乃愛は捨てられた子犬のように悲しい瞳をして、俺を見あげた。

「王河といい、夏帆といい……、あたしの周りには、面倒くさがりやさんが多すぎるっ!!」

「ん?」

 ってことは、夏帆も俺と同じで面倒くさがりなんだ。

 夏帆はけっこう面倒見がいいと思ったんだけどな。

「この浴衣だって、夏帆が着ていこうっていうから、着てきたのに」

 珍しくブーたれる乃愛。

「それなのに、着るのも面倒くさくなっちゃったんだって」

「そっか」
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