超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
『お口に合うとうれしいです。いつもお世話になっています』
“今までちゃんと勉強をしていました”っていうアピールのために、教科書を手に持ったまま、乃愛のお母さんに向かって頭を下げる。
『こちらこそ、いつも乃愛と仲良くしてくれてありがとう。宿題がんばってね』
『ありがとうございます。乃愛さんに教えていただけてありがたいです』
『そんなそんな。この子でよければいつでも聞いてね。じゃあ、王河くん、乃愛、勉強がんばってね』
乃愛のお母さんは、俺とトレイを持って立っている乃愛の顔を微笑みながら交互に見て、踵を返した。
足音が遠ざかるのを聞き、手に持っていた教科書をパタンと閉じ、テーブルの上に置く。
いろいろとバレなくて、本当によかった。
『え? え? 王河、宿題ってなに? 勉強ってなに?』
そう聞きながらトレイを持って部屋に入ってきた乃愛は、テーブルの上にトレイを置こうとして、教科書に目をとめた。
『あれ? 教科書?』
乃愛が不思議そうな顔をするのも無理はない。
だって、乃愛にはなにも言っていないから。
『乃愛のお母さんには、乃愛に宿題を教えてもらって、一緒に勉強がしたいって言ったから。今日乃愛んちに来たわけを』
乃愛のお母さん“には”と強調した理由は、まだ乃愛には言えないけど。
今日俺が来た本当の理由は、乃愛に誕生日プレゼントを渡して、告白をするため。
勉強なんて、乃愛のお母さんに言うためのただの口実。