超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
もともとするつもりなんかなかったから、
『まぁね。そのくせ俺は、教科書もノートも持ってきてないんだけど』
っていう事実に、俺の気持ちが透けてしまう。
こんな矛盾したウソ、さすがに鈍感な乃愛にもバレたよな。
バツが悪くて、それをごまかすためにニコッと笑った。
『あぁ……そんなの大丈夫だよ。き、教科書は一緒にあたしのを見ればいいし。あ、でもノートは……』
『……えっ?』
――乃愛、まさかとは思うけど、信じたの?
『この前買った新しいのがあるけど、“Mofu*Rin”のだから……。いくら女子高生に人気のキャラクターっていっても、王河が使うのはイヤだよね』
――まさかではなく本当に、乃愛は俺の言葉を真に受けたらしい。
カッコ悪いけど仕方がない。ちゃんと訂正をしておこう。
『イヤじゃないけど、必要ないし。っつーか、俺はべつに勉強なんかどうでもいいけど』
――ここまで言えば、さすがの乃愛だってわかるよな。
『あっ、だったらお兄ちゃんにもらえばいっか。あたし、もらってくるねっ』
『いや、だから、いらないって……』
――あーもー、乃愛にはまったく伝わっていないわけ?
会話が全然かみあわない。
どうやら、一方的にしゃべり続けた乃愛の耳には、俺の声は聞こえなかったらしい。
ものすごい勢いで部屋を飛び出していった。