超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


『はい、半分こ』

 そう言ったのは、さっきの約束通り、メロンだけじゃなくて桃も食べさせてあげたかったから。

 でも、さっきよりもう一段階赤くなった乃愛を見て気が変わった。

 ただ、差し出すだけじゃ物足りない。

『あ、その顔は、もしかして俺に食べさせてほしいとか?』

 乃愛のもっともっと赤くなった顔が見たい。

 あわよくば、俺にドキドキしてほしい。

 だから、『えっ!?』と驚く乃愛をスルーした。

『しょーがないなぁ、乃愛は。いつまでも甘ったれで』

 そんなことを言いながら、俺は桃のゼリーをスプーンですくって、ゆっくりと乃愛に差し出した。

『ほら乃愛、口開けて。はい、あーん』

『……っ』

 耳まで真っ赤になって恥ずかしがる乃愛が、愛しくてたまらない。

 メロンゼリーを握りしめながらモジモジしている乃愛がかわいすぎて、もう待てない。

『ほら、口開けてっ。のーあ』

『……っ』

『もっと近くにこないとこぼれるぞ』

『……っ』

『ほら早くっ』

 ――もっともっと、かわいい顔を俺に見せて。

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