超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
乃愛は美少女っていう言葉がぴったり当てはまる上にとても優しいから、誰でも好きになって当然だと思う。
そんなことはわかっている。
乃愛が告られることなんて、今さら珍しいことじゃない。
そんなのただの日常で、よくあるいつものことにすぎない。
でも……なんか……もう無理。
なにかがプツッと切れた音がした。
もうこれ以上、他の男にとられたくない。
本当は1番に言いたかった“大好き”とか“俺と付き合って”っていう言葉をとられたように。
乃愛の初めてを、それがなんであれ、もう他の男にとられたくない。
なにより、乃愛自身をとられたくない。
こんなのただの自分勝手な気持ちだし、俺の気持ちなんかより、乃愛の気持ちの方が大事だっていうことはわかっている。
わかっているはずだけど……。
誰かに乃愛をとられることが怖くて、誰にも乃愛をとられたくなくて、気が付いたら口が勝手に動いていた。
『乃愛の初めて、全部俺がもらうから』って。
俺が乃愛の1番になりたい。
乃愛を他の男にとられたくない。
そんなことしか、考えられなくなっていた。
『……え?』
なにもわかっていない様子で、きょとんとした顔のまま、ぱちくりと目をしばたたかせる乃愛がかわいい。