超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡


「はぁ? どう考えても、藤城くんが悪いでしょ。っていうか、そもそも、身の程知らずはどっちだよ!」

 なっちゃんは、超絶イケメンモデルで俳優の王河に対して、信じられないようなことを大声で言った。

 さっきよりも目がつりあがって、完全に怒っている。

「な、なっちゃん、声が大きいよ……」

 ここは駅だし、周りの人の目が気になって、あたしはおどおどしながら、なっちゃんをなだめようとした。

 でもその前に、なっちゃんはあたしの肩をガッとつかんだ。

「いったいなにがあったの? 乃愛ちゃん。全部話して!」

「え……っと」

 なっちゃんに肩をつかまれた状態でチラッと見ると、夏帆も紗良ちゃんも、口を引き結んでうなずいている。

 だからあたしは、ホームに向かう通路の隅に行って、昨日王河との間であったことを、ボソボソッと小さな声でみんなに話した。

「……というわけなの」

 全部話し終わると、まずなっちゃんが口を開いた。

「あったまくんなー。部屋でキスまでしといて、告白にスルーとか、マジで何様?藤城くんて」

「あ、でも。『ありがとう』とは言われたよ」

 王河が悪く言われるのは困るから、急いでなっちゃんに訂正をする。

 その傍ら、今度は夏帆が切れ長の目を細めて言った。

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