超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
でもその前に、野々山はさっきよりも大きな声をはりあげた。
『……は? バーカ!! 金輪際、乃愛には近づくな。この変態っ! チカンっ!!』
それは、耳元にないにもかかわらず、耳がキーンとするようなすさまじい怒声。
あっけにとられて、タップしようとした指が止まる。
そこに、もうひとつ声が加わった。
『藤城くん、見損なったよ! もう二度と、乃愛ちゃんの彼氏面なんかしないでね。溺愛もお断りだし、近づかないでっ!』
言いたいことだけ言ったあと、ブチッと切られた電話を見つめてしばし固まる。
えっと、今のは……?
その直後、車内に煌河の笑い声が響き渡った。
「そっかー。王河くん、乃愛ちゃんとキスしたんだ~。よかったね~。おめでと~。でもそのせいで、乃愛ちゃんのお友達からは嫌われちゃったみたいだね~。でも大丈夫! 家族メッセージでこの件を共有しておくから、みんなが対策と励ましを送ってくれるよ~♪」
……って!
「うっせー。大きなお世話だ」
「もぉ、そんなこと言って~。うれしいくせに~。素直じゃないな~王河くんは~」
ツンツンッと、ハンドルから離した右手で、煌河が俺の腕をつついて言った。
「かわいい末っ子のファーストキスをお祝いして、今日は赤飯とケーキかなぁ~?」
……なんだよ、その組み合わせ。