総長は、甘くて危険な吸血鬼




じゃ、じゃあ……私の勘違い……?


『妹いたんだ…!?…ごめん、わたし、勘違いして…』



勝手に勘違いして勝手な憶測してた、ってこと…?

……更に合わせる顔がなくなったんだけど…!



「いや…俺こそごめん。誤解を生まないように先に言っておくべきだった。顔、上げて?」



叶兎くんに片手で頬を掴まれて顔を上げると、心配そうに見つめられて何も言えなくなった。



「…俺が女の子と仲良くしてると思って、それでここまで逃げてきたの?」



そう言われてから2秒

ぶわっと顔が熱くなった。

叶兎くんが言っていることは何一つ間違ってない、間違ってないんだけど…



「それ、嫉妬してくれたってこと?」


『それは、その…ええと…』



こんな感情になったのは初めてで、

どうすればいいか分からなくて



「否定しないんだ」



…!!

ねえ!もうわかってるならわざわざ聞いてこなくても良くない?!

叶兎くんってこういうとこあるよね…!?



「胡桃──」



< 104 / 405 >

この作品をシェア

pagetop