【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
『……』
叶兎くんと恋人同士になってから、分かったことがある。
二人きりになった時の彼は……普段の冷徹な姿からは想像もつかないくらい、甘えてくれる。
私だけが知っている叶兎くんの特別な姿。
それがなんだか愛おしくて嬉しくて、いつも思わず頬が緩みそうになるのを必死で堪えるのに大忙しだった。
そして、もう一つ。
『…ん…っ』
叶兎くんは多分、キスが好き。
いつも血を吸う前にこうやって優しく口付けをしてくれる。
ハグと吸血はだいぶ慣れてきたけどこれだけはやっぱり慣れない。いつもは血を吸われる事で感じた熱が、直接口元から伝わってくるから。
「…かわいい」
なんかもう、会ったばかりの頃の叶兎くんとキャラ違いすぎて、これこそ俗に言うギャップ萌えなのかもしれない…。
『…叶兎くん、何かキャラ変わったよね?』
「そう?」
そう?……って自覚ないんかい。
『だって初対面の時とか…』
「…………それ忘れて、恥ずかしいから」