【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ


“俺の彼女なんだから”


その一言で、胸の奥がギュッと締め付けられる。

こんなすごい人がどうして私なんかを選んだのか、未だに理解できない。

それに、さらっと言うところが罪深すぎる。


「あ、そうそう。昨日の電話発信地域調べてみたんだけど……多分だけど、BLACK SKYの誰かがかけてきてるよ」

『…え、でもそれじゃ何で私の番号知って…』

「そこまでは分からないけど、とにかくあの電話には絶対出ないで。何かあったらすぐに言うこと。いい?」

『うん、分かった』



私の電話番号知ってる人なんてごく僅かだしBLACK SKYの人に知り合いなんていないし、…どうして知られてるんだろう。

確か私、狙われてるんだっけ…?

言葉にできない薄暗い嫌な予感が、胸の奥で静かに渦を巻いた。



──コンコン



「叶兎、起きてるー?」


ノックと共に春流くんの声。

寝起きの頭に一瞬、さらに混乱が重なる。



「起きてるけど、なに?」

「学校長が、文化祭当日の警備の件でお呼びだよ。今すぐ来てって」



言いながら、春流くんは当然のようにドアノブを回して、ガチャリと部屋の中に入ってきた。

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