総長は、甘くて危険な吸血鬼

『え、どこに?』

「………“BLACK SKY”の、アジトに。」

『……え?』



一瞬、自分の耳を疑った

今、BLACK SKYって言った…?

それって、叶兎くん達がBSって呼んでるあのBLACK SKYだよね…?

何で、朔が…



「くーちゃんてば何度も電話したのに全く出てくれないし」

『っあれ、朔だったの?!』


最近何度もかかってきていた謎の電話。

怪しいものだと思って無視していたけど、まさかそれが朔だったなんて…。

正体が分かってホッとしたけど、そういう問題ではない。


「みんな君を歓迎してくれるよ。勿論、僕も」


にこやかに笑ってそう言う朔。
でもその言葉は、私の中の警鐘をさらに強く鳴らすだけだった。

どういうこと?
BSって私のことを狙ってるとか何とか言ってなかった…?

そもそも私はWhiteLillyのみんなに守ってもらう立場なのに歓迎されるわけがないし、いくら目の前にいるのが朔だからってのこのこと敵組織のアジトに行くわけがない。


『朔、何か隠してる…?悪いけど、一緒に行くことは出来ないよ』

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