【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ




「でも……せっかくするなら、こっちにしてよ。」



囁きながら、叶兎くんの指先が私の顎をそっと持ち上げる。

気づいた時には唇が重なっていた。

優しくて、あたたかくて、未来を誓うようなキス。


叶兎くんの指がそっと頬をなぞった瞬間、時間が止まったみたいに何も考えられなくなった。
心臓の音だけが、自分の中でうるさく鳴っている。


叶兎くんの手が優しく私の髪を撫で、首筋のあたりを包み込むように引き寄せた。

そのままさらに深く密着させられて、触れていたくだけだった唇が、ゆっくりと角度を変えて深く深く重なり合う。


唇がゆっくりと離れると、息が触れ合ったまま夜風の中へと溶けていった。

夜の空気はこんなにも冷たいのに、私の顔全体はずっと火が出そうなくらい熱くて。



『……ずるい。』



思わず口にすると、叶兎くんが少し照れたように笑う。



「おあいこ。」



その優しい笑顔が、私は大好きだ。



「……胡桃。」

『ん?』

「俺、今、世界で一番幸せかも。」

『…ふふ、私も。』



夜風がふわりと優しく吹いて、近くの噴水の水しぶきが月明かりを受けてきらきらと輝きながら舞い落ちる。

その光の中でただ見つめ合っているだけで、胸が破裂しそうなくらい幸せでいっぱいになった。





私の好きな人は、甘くて危険な吸血鬼。





──私と彼の物語は、まだ始まったばかりだ。










𝑭𝒊𝒏.















追伸 2025.01.02


✳︎続編
⇨『総長は、甘くて危険な吸血鬼Ⅱ』


学園卒業後、本格的に吸血鬼の街で暮らすようになってからのお話です。

甘々な叶兎と胡桃の関係だけでなく、更に世界規模にスケールが大きく話が広がっていきますので、今作を気に入っていただけた方にはぜひ読んでいただけたら嬉しいです♡.ᐟ‪

新キャラも登場しますし、今作で回収しきれなかった伏線や内容も後半はかなり拾っていくので、色々とストーリーが繋がっていくと思います!


是非また遊びに来てください✦.˚




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