【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
心音ちゃんと瑠奈ちゃんは、転校してきて初めて出来た友達…
胸の奥がざわざわと騒がしくなる。
いても立ってもいられなくて、私は気づけば走り出していた。
「おい、こんな朝から敷地内まで入ってきて一体何のつもりだ」
中庭の大きな樹の影に身を潜め、息を殺して様子を伺う。
真っ先に耳に飛び込んできたのは、桐葉くんの低く冷徹な声だった。
視線を向ければ、生徒会のメンバーが勢揃いして相手を睨みつけている。
「うちの生徒に手出したらどうなるか、分かってるよね?」
叶兎くんの静かな怒りを孕んだ声。
彼らの視線の先に目を凝らした瞬間、私は息を呑んだ。
…心音ちゃんと瑠奈ちゃん!!
黒い服を着た男6人が、2人と叶兎くん達を遮るように立ち塞がっている。
「そっちが俺らを攻撃するのは自由だぜ?こいつらがどうなってもいいならな」
「いたっ… 」
髪を引かれ、心音ちゃんが小さく悲鳴を上げる。
心音ちゃんっ…!
2人を人質にとられてるせいで叶兎くん達も下手に動けないんだ…!
「何が目的だ」