【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
「……俺はお前を守る、お前は俺に血を分ける。これならどう?」
『え?』
「自分を守ってもらう事に対してみんなに迷惑かけるんじゃって思ってるでしょ?迷惑だなんて1ミリも思ってないけど、これならお互いwin-winになるかなって」
胡桃が何か答えようと口を開いたけど、すぐに言葉が詰まってしまう。
その仕草さえも、可愛く見えた。
俺は女を避けて生きてきたから恋なんてしたことがない。
むしろ女なんて面倒くさくて関わりたくない生き物だと思っていたし、誰かを『可愛い』なんて感情を抱いたことすら無かった。
だからこの感情が恋なのかは分からない。
けれど胡桃といる時の俺は、柄にもなく素の自分でいられる。
重かった心が、嘘みたいに軽くなる。
……何よりあの時、気づいた時には、抑えきれずに唇を重ねていた。
あれが、答えなんだろう。
俺はもう、とっくに…。
『良いよ、そういう事なら…』
少し迷った後、胡桃が小さく頷いた。
俺は胡桃という存在を必要としているし、胡桃も俺たちを必要としてくれている。
今はこんな関係でもいい。
今は、まだ…。