【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
生徒の主体性に任せる的な…
なるほど、この学校は偏差値が高いだけあって自由も多いのかもしれない。
気づけばさっきまで雑談してたクラスメイトたちも自然にコートの使用順を話し合い始めていて…やっぱり流石進学校。
前の学校じゃきっとこうはならなかった。
「ね、叶兎。勝負しない?」
その声に振り向けば、いつの間にか天音くんが叶兎くんの前に立っていた。
そうか、そういえば体育って他のクラスと合同って言ってたっけ…。
ざわざわしていたその場が、
天音くんの一言で一瞬静まり返る。
「……別にいいけど」
叶兎くんが少しだけ考えてからそう答えると、誰かが指示を出したわけでもないのに、2つあるコートのうち1つがスーッと空けられた。
周囲にいた女子生徒たちは、待ってましたと言わんばかりに真っ先にコートの脇へ押し寄せ、観戦態勢に入る。
女子だけでなく男子までもが試合を見たいらしく、あっという間にコートの周りに大きな人だかりが出来上がった。