【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
「久しぶりに戻ってきたんですね!…その方は…?」
茶髪で、身長は低めの男の子。
そして視線が合うと、その子は数秒私を見てから視線を叶兎くんに戻す。
…なんだか、私怪しまれてる?
「言ったろ、紹介したい奴がいるって」
「!!その方なんですね!他の幹部の皆様は到着してます。全員お出迎えの準備もできているのでいつでも来てください」
そう言ってペコっとお辞儀をした男の子は目の前の大きな建物に入って行った。
『あの…さっきの人は?』
「俺の仲間。ま、すぐに分かるよ」
叶兎くんはバイクを建物の脇に手際よく停めると、ごく自然に私の手を引いて、重厚な大扉の前へと歩き出した。
え、この建物に入るの?え…?
目の前にそびえ立つ建物を見上げて、私は思わずその場に立ち尽くしてしまった。
壁から屋根、重厚なフロントドアに至るまで、全面が重々しい漆黒で統一された巨大な建造物。