【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
「あいつが胡桃ちゃんを見るときの目、見たことないくらい優しかったよ。それに、血だけを目当てに関わってる女をわざわざここに連れてきたりするような奴じゃない。もっと自分に自信持っても良いと思う」
流風くん……
「女子の扱いとか慣れてないだろうから気に触ることもあるかもしれないけど叶兎のこと…支えてやって欲しい。それに…あいつ、超かっこいいから」
こういう暴走族の組織って、怖くて嫌な人ばかりだと思っていた。
でも、周りを見渡しても団員の人たちは笑顔が多くて、悪い人なんて一人もいなさそうだし、流風くんもとびきり良い人だ。
『…うん!知ってる!』
「ふふ、ありがとう」
流風くんは私の頭をくしゃっと撫でた。
………え?!
『る、流風くん?』
「あっ、ごめん、何か弟と重なって…」
ハッと我に帰った流風くんは即座に腕を引っ込める。
『…流風くん、きっと良いお兄ちゃんなんだね』
「良いお兄ちゃんか…そうなれてたら良いんだけど」
流風くんに弟がいると聞いて、すごく納得がいった。
さっきから私を元気づけようと優しく話を聞いてくれたのも、きっと根っからのお兄ちゃん体質だからなんだろうな。