【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
『そういえば流風くんって叶兎くんと仲良いみたいだけど2人はどういう関係なの?』
他の人はみんな“叶兎さん”って呼んでて敬語だったけど流風くんは普通に接してたし…
「俺と叶兎は幼馴染だよ。んで俺はここの副総長やってて、基本的にこっちに戻ってこない叶兎の代わりにここのアジトをまとめてる」
『そうなんだ!幼馴染かぁ…』
幼馴染、昔、私にもいたな…。
「だからこそ、ほんとびっくりなんだよね。流石に総長の女に手出す気はないけどさ、あの叶兎が気を許した子ってちょっと興味あるなー、なんて」
流風くんは頬杖をつきながら、いたずらっぽく私を覗き込んできた。
そして反対の手を伸ばすと、私の髪の毛先に触れ、指先でくるくると弄び始める。
っ……!?
何故だかわからないけれど、このまま流風くんと話し続けていたら、自分の気持ちを全部見透かされてしまいそうで
『っあの!…………お手洗い、借りても良いですか…』
思わず逃げるように立ち上がった。
動揺しっぱなしで、
だから一旦、一旦落ち着こう。