私を、甘えさせてください
「あー、やっぱり昨日の夜帰ってきて良かった。予定通りなら、ちょうどこの時間は飛行機の中だったよ」
「・・予定を変えて帰って来たくなるくらい、私に・・」
「そう。会いたくて仕方なかった。そんなふうに思ったの、美月が初めてだ」
ガシャン。
持っていたケーキ用のフォークが、手から滑り落ちる。
面と向かって『会いたくて仕方なかった』なんて言われて、いい意味で動揺した。
「空川さんも、反則・・だよ。そんなこと言われたら・・」
「キスしたくなった?」
「・・それだけじゃ済まない・・かも」
「じゃあすぐ帰らなきゃ!」
立ち上がって、ふたりで笑い合った。
昨日まで気まずかったのが嘘のようだ。
「そろそろ出ようか」
「うん、そうだね」
食べ終わった私たちは、レストランを出て帰り道を歩いた。
「美月、明日は何時の新幹線だ?」
「15時過ぎ、かな」
「ん? 予定変わった? 申請はもっと早かった気がしたけど」
「うん。月曜のプレゼン担当のメンバーが、みんなと同じ時間のチケット取り損ねたらしくて。譲って、1本遅いのにした」
「それならあと丸1日あるな。明日、品川駅まで送っていくから、それまで一緒でいい?」
私はうなずきながら、空川さんがごく自然に『一緒でいい?』と口にしてくれることが、とても嬉しかった。
「・・予定を変えて帰って来たくなるくらい、私に・・」
「そう。会いたくて仕方なかった。そんなふうに思ったの、美月が初めてだ」
ガシャン。
持っていたケーキ用のフォークが、手から滑り落ちる。
面と向かって『会いたくて仕方なかった』なんて言われて、いい意味で動揺した。
「空川さんも、反則・・だよ。そんなこと言われたら・・」
「キスしたくなった?」
「・・それだけじゃ済まない・・かも」
「じゃあすぐ帰らなきゃ!」
立ち上がって、ふたりで笑い合った。
昨日まで気まずかったのが嘘のようだ。
「そろそろ出ようか」
「うん、そうだね」
食べ終わった私たちは、レストランを出て帰り道を歩いた。
「美月、明日は何時の新幹線だ?」
「15時過ぎ、かな」
「ん? 予定変わった? 申請はもっと早かった気がしたけど」
「うん。月曜のプレゼン担当のメンバーが、みんなと同じ時間のチケット取り損ねたらしくて。譲って、1本遅いのにした」
「それならあと丸1日あるな。明日、品川駅まで送っていくから、それまで一緒でいい?」
私はうなずきながら、空川さんがごく自然に『一緒でいい?』と口にしてくれることが、とても嬉しかった。