私を、甘えさせてください
数分、経っただろうか。
空川さんは微動だにしない。


変だな・・。

そう思って空川さんの首筋に触れると、かなり熱くなっていた。


「空川さん熱が・・・・どうしよう、私のせいで・・」

「いい・・んだ。元はと言えば、俺が・・」

「こっち、来て。早く横になった方がいい」


引きずるようにベッドに連れて行き、ジャケットを脱がせて、ネクタイを外した。


体温計で熱を測ると、表示された数字は『37.9』。


「ごめんなさい。私が一晩中泣いていなければ、すぐに帰れたのに・・。いま解熱剤持ってくるから」


ベッドサイドから立ち上がった私の手首を、空川さんがつかむ。


「行く・・な・・」

「えっ」

「美月・・・・」


熱で、うなされているようだった。

何度も私の名前を口にして、苦しそうな表情をした。


そのうち・・・・『優』と呼ぶのではないかと胸が苦しくなったけれど、一度も、その名前が出ることはなかった。


少し時間が経ち、空川さんの呼吸が落ち着いたのを確かめてから、私もリビングのソファに横たわる。

ようやく、眠気が襲ってきた・・・・。

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