私を、甘えさせてください
「どう・・して?」


私の問いかけに、空川さんが目を開ける。


「仕事・・は? どうして一晩中、ここに?」


「号泣してる美月を、置いていくことができなかった・・・・仕事は、どうにでも・・なる」


「そんな・・・・」


「泣いている声が聞こえなくなったら、帰ろうと思ってたんだ・・・・でも、ずっと聞こえてて・・気づいたら、朝になってた」


「だからって・・・・なにも一晩中・・」


「そばにいたかったんだ・・・・俺のせいで泣いてるのに、放っておけなかったから」


明らかに顔が疲れていた。

一晩中、外に立っていたなんて。


「入って。シャワー浴びた方がいいよ。イケメンが台無し ーーー」


ガバッ、と空川さんが覆いかぶさってくる。


あぁ・・。
久しぶりの、空川さんの腕の中だ。

なんだか、纏っている空気がひんやりとしている気がした。


「ごめん・・ね。外、寒かったよね?」

「美月・・」

「なに?」

「シャワー浴びたらすぐ帰るから・・・・もうちょっとだけ・・このままでいさせて」

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