私を、甘えさせてください
彼は、彼の未来を選び、私に一緒に来てほしいと言った。

私は、私の未来を選び、一緒に行けないと言った。


どちらも、海外。
そう簡単に行き来できる距離でもないだろう。

私たちの未来は、ふたつに別れた。



「永田さん・・ですよね?」


フロアの移動中、打ち合わせに訪れていた優さんに声を掛けられる。


「優さん・・。あ、ごめんなさい。私、お名前をきちんと知らなくて。
空川さんも本部長も、優さんとお呼びしていたので」

「いえ、永田さんには、いまのまま呼んでもらいたいです」

「え?」

「私・・和真さんと入籍することになりました。だから、永田さんとも・・」


そうか。

もし私が彼と結婚するなら、義理の姉妹になったわけだ。


「多分・・それは無いと思います」

「え、でも、和真さんから・・」

「私、来月から海外赴任なんです。いい機会なので、拓真さんとの関係も見直そうかと」

「そん・・な・・」

「優さんから、空川さんにもよろしくお伝えください。じゃ」

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