私を、甘えさせてください
17時になるのを待って、彼に電話を掛ける。
呼び出し音はすぐに途切れて、彼の声がした。
「美月、どうした? 珍しいな」
「あ、うん。ちょっと聞きたいことがあって」
「聞きたいこと・・電話で済む話?」
「できたら、直接話したい」
「じゃあ・・ちょうど会議が終わったから、今日はもう帰るか・・。通りの反対側のカフェで待っててくれるか?」
「ありがとう。先に行ってるから」
聞きたいことは、ふたつ。
彼の赴任先と教会の話だ。
私の赴任先も、ちゃんと言わなきゃ。
コーヒーを飲みながら、彼が来るのを待つ。
『教会を予約してるんです』
結婚式のため・・だよね。
別れたいなんて思ってないって、本気だったんだ。
海外勤務希望を出していなかったら、ふたつ返事で一緒に行ったのかな・・。
カランカラン、とドアベルが鳴り、彼が入ってくるのが見えた。
なんだか、こんなふうに待ち合わせするのも久しぶりだ。
「お待たせ。どうした、ぼんやりして」
「ん? 今日もカッコいいなと思って、見惚れてた」
「何言ってんだよ。照れるだろ」
「ふふ」
「でも、俺も思った。いつ見ても綺麗だなって」
「ほんと? お世辞でも嬉しいよ」
そう言った私に、彼はアハハハと笑って、すぐに寂しそうな顔をした。
「香港・シドニー間は9時間か・・遠いな」
「え?」
「いまみたいに、美月に会えなくなる」
香港・シドニー間?
「ねぇ、シドニーって、私?」
「そう」
「じゃあ香港は、誰?」
「俺だよ」
呼び出し音はすぐに途切れて、彼の声がした。
「美月、どうした? 珍しいな」
「あ、うん。ちょっと聞きたいことがあって」
「聞きたいこと・・電話で済む話?」
「できたら、直接話したい」
「じゃあ・・ちょうど会議が終わったから、今日はもう帰るか・・。通りの反対側のカフェで待っててくれるか?」
「ありがとう。先に行ってるから」
聞きたいことは、ふたつ。
彼の赴任先と教会の話だ。
私の赴任先も、ちゃんと言わなきゃ。
コーヒーを飲みながら、彼が来るのを待つ。
『教会を予約してるんです』
結婚式のため・・だよね。
別れたいなんて思ってないって、本気だったんだ。
海外勤務希望を出していなかったら、ふたつ返事で一緒に行ったのかな・・。
カランカラン、とドアベルが鳴り、彼が入ってくるのが見えた。
なんだか、こんなふうに待ち合わせするのも久しぶりだ。
「お待たせ。どうした、ぼんやりして」
「ん? 今日もカッコいいなと思って、見惚れてた」
「何言ってんだよ。照れるだろ」
「ふふ」
「でも、俺も思った。いつ見ても綺麗だなって」
「ほんと? お世辞でも嬉しいよ」
そう言った私に、彼はアハハハと笑って、すぐに寂しそうな顔をした。
「香港・シドニー間は9時間か・・遠いな」
「え?」
「いまみたいに、美月に会えなくなる」
香港・シドニー間?
「ねぇ、シドニーって、私?」
「そう」
「じゃあ香港は、誰?」
「俺だよ」