極上の愛に囚われて
彼はずるい……。
「ところで、沙雪。今日のパーティではたくさんの男性に話しかけられていたね」
「えっ、見てたの?」
「もちろん。僕はいつだって沙雪のことを見てるよ。俳優の陣内雄介もいただろう。口説かれた?」
私を見つめる彼は、少し眉根を寄せていて怖い顔をしている。
そんな表情にもドキッとして、『嫉妬してくれてるの?』とか『独占欲があるの?』なんて期待しまうから、恋は残酷だ。
「ぜーんぜん、そんなことなかった。話題はお仕事のエピソードオンリーだもの。だから弱小なわが社の繁栄のため、ひたすら名前を売り込んだわ。社長命令だったし」
「ふぅん、そう? きみを口説くのが目的だったと見えたけど。プライベートの連絡先を教えてない?」
「聞かれてないもの。アヤコさんの一件で翔さんに話しかけられたから、すごく目立ったもの。それでタレントだと勘違いした人たちが『どこの事務所の所属ですか?』って声をかけてきただけ」
イベント会社勤務だと言ったら、ほんとうに仕事の話ばかりになったのだ。
「そうか……」
翔さんは安堵したように呟いてカクテルグラスを傾ける。