夜を照らす月影のように#4
カズさんは物の怪に向かって走り出すと、地面を蹴って赤に染った空へと跳び上がって、物の怪を一刀両断した。

物の怪が消えていったのを確認したカズさんは、武器を消す。次の瞬間、カズさんは倒れる。

「……!」

メルは走ってカズさんに近づくと、体に異常がないかどうかを確認する魔法をカズさんにかけた。

「……良かった……大丈夫。力の使いすぎで倒れただけだ」

そう言いながら、メルは僕の方を向く。メルは優しく微笑んでいて、その笑顔に僕の胸が高鳴った気がした。

……この感覚、前世でもあったよな……一体、何なんだ?

「……ノワール、ボスを倒したから元の世界に帰ろう」

「え?あ、うん……!」

メルの言葉に僕は物語の終わりを文を言って、元の世界に帰る。

「……もう、こんな時間……」

窓から見える空はもう真っ暗で、皆は驚いた様子で窓を見ていた。

「とりあえず、僕はカズさんを寝かせる。時間だし、皆は先に夕ご飯を食べてて」

僕がそう言うと、皆は渋々分かった、と返事をして僕の部屋を出ていく。

僕は、魔法を使ってカズさんを僕のベッドに寝かせると布団をかけた。

それから部屋を出て、リビングへと向かう。
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