夜を照らす月影のように#4
リビングでは、メルとリオンが父さんと母さんに今日本の中で起こった出来事を話していた。

「あの時のリオン、かっこよくってさ。僕も、あんなことを言えるようになりたいな~……あ、ノワール。今日のご飯、いつもより美味しいから温かいうちに食べようよ」

ひらひらと、メルは僕に向かって手を振る。僕は「うん」と微笑んで返すと、席に着いて夕ご飯を食べ始めた。

メルの言う通り、いつも以上に美味しく感じる。

ご飯を食べ終えたあと、片付けをしてから部屋に戻った。

カズさんが目を覚ますまで執筆をしようと椅子に座ったは良いけど、眠気に耐えられず僕は眠りに落ちた。



ふと目を覚ますと、僕は机に突っ伏しながら寝ていたらしくすぐに顔を上げる。時計に目を移すと、もう朝だった。

「……!」

そのままカズさんが寝ているはずのベッドに目を移すと、そこには誰もいなくて僕は立ち上がる。

部屋を出て、カズさんを探した。たまたまエリカさんと会って、エリカさんに外にいることを教えてもらった。

外に出ると、カズさんはメルと話している。メルの表情は楽しそうで、もやっとしてしまった自分がいる。

「あ、ノワール!おはよう」

僕の方を見たメルが、にこりと笑った。僕は「おはよう」と返すと、メルとカズさんに近づく。

「……君らなら、信じられるかもな」

そんなカズさんの呟きが、聞こえたような気がした。
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