貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 ナディアは首を左右に振って、その場に残る意思を伝えた。

「慣れなきゃやっていけないもの。いつまでも部屋に引きこもっているつもりはないのよ」

「よい心構えですが、無理はなさらないでくださいね」

「ありがとう。その代わり、熱いお茶をたくさんいただくわ」

 ナディアたちがいるのは、中庭の一角である。

 ナディアの肩ほどの生垣で四角く囲われており、入口は植物の門でできていた。

 意外にも広い空間で、ナディアとエセルが使うテーブルとは別にいくつかのテーブルが用意されている。

 これはアウグストが先ほど運んだものだった。

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