貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 ナディアの軽い嫌味もエセルはさらりとかわす。

「お互いに悪い話ではないと思いますがね。陛下が人間との交流に前向きになれば、エスタレイクは今以上に発展するでしょう。そしてあなたは行き来がしやすくなったフアールへ帰れるようになるのです」

「あなたは純粋にゲルハルト様の人間嫌いを直したいだけ? 実はフアールへ攻め込む策略を練っていたりしない?」

「私がそんなことをするように見えますか?」

「正直に言うと、考えていてもおかしくないと思っているわよ」

 それを聞いて笑ったのはメイドたちだった。

「やっぱりエセル様はそういう扱いなんですね」

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