貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「ナディア様ならきっと素敵なメイドになれますよ! 私たちもお手伝いしますし!」

「まずは人の尻尾をあまり見ないところからですね。それ、私たちからするとちょっと……なので」

 尾を見つめてはならないとこんな形で知ったナディアは、そっと心の中で気をつけようと誓った。

「ご家族に会いたいのでは? この国へ来たのはあなたの意思ではないでしょう」

 再びエセルがナディアに尋ねる。

 返答はあきれたような溜息だった。

「そういう言い方はずるいわ。脅しているみたいに聞こえるもの」

「大切な客人にそんな真似はいたしませんよ」

「普通はお客様を利用しようとも思わないんじゃないかしら?」

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