貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 思えば、今世に回帰してからずいぶんと知らない未来に進んだものである。

 ジャンとコリンヌの逢瀬を見て、エスタレイクへ貢ぎ物として送られた。

 二国間で争いが起きないようにせねばと意気込んでいたら、あっさり受け入れられるとは。

 もう前世の記憶は参考にならないだろう。新しい人生は紛れもなく違うものとして動いているのだから。

(またフアールへ帰ってみせるわ)

 一度目の人生のような惨めな死に方はしないと決めていたナディアの、次の目標が決まった。



「世話役は必要ない」

 国王つきのメイドになるべく執務室を訪れたナディアだったが、ゲルハルトは容赦がなかった。

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