貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 机に向かうだけの学びならフアールでも可能だと、もっともらしく言うエセルにナディアは反論できなかった。

(口がうますぎるのよ)

 奇しくもナディアと同じ感想をゲルハルトも抱いていた。

 食えない側近だと思っていたが、まさかエセルがこんな強硬手段に出るとは予想もしていない。

 エセルの考え方は理解していたから、ナディアも利用されているのだとあきらめと同時に哀れみを感じた。

「文句を言うなら自分から人事権を剥奪したら? って言ってたわよ」

「相変わらず死ぬほど性格が悪い男だな。俺がそうできないのを知っているくせに」

「ちょっと癖のある性格よね。そこは同意するわ」

< 183 / 498 >

この作品をシェア

pagetop