政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


「今日、プリリュの代表と無事話し合いが済んだ」


 食事を始めてすぐ、拓人さんのほうから今日のことを切り出してきた。帰ったら話すと約束してくれていたからだ。


「良い話はできましたか?」

「ああ。まずは東京と沖縄で、サービスの提供を始めることで話が固まった。その後は反応を見て提供場所を拡大していくことも視野に入れると話した」

「そうですか。それは楽しみですね」

「もうすぐ沖縄の別館がオープンするその際に、プリリュとの業務提携も正式発表することで決まった。その時は一緒に沖縄のほうに来てもらえるか?」

「私が、ですか?」

「ああ。俺の妻としてパーティーには列席してもらいたい」


 拓人さんの妻として。それは、RENJYOの副社長夫人としてということ。

 緊張と共に身の引き締まる思いで「はい」と頷く。


「わかりました。よろしくお願いします」


 私の返事を受けて、拓人さんは「こちらこそ」と微笑を浮かべる。

 ガパオライスを口にし、「これも美味い」と目を大きくしった。

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