政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 茉莉花と許婚だと知ったのは俺が大学一年、茉莉花が中学一年になった年だった。

 その頃から年に数度あった会う機会は年に一度の食事会だけとなり、そのうちに俺は海外留学へ。

 その後、大学を卒業して会社に携わるようになると、年に一度の食事会にすら顔を出せない年もあった。

 思い返せば、お互い成人してからはあまり会うこともなかったと思う。

 目まぐるしい日々を繰り返し、一昨年やっと婚約の話が浮上した。

 やっと茉莉花を迎えることができる。彼女との結婚を心待ちにしていたのだ。


「ねぇ、実際のところどうなの? ちゃんと夫婦として上手くいってるの?」

「……それはどういう意味だ」

「どうって、そのままの意味よ。体の関係も含めて」


 顔には出ないように努めたものの、不意に出された質問にどきりとする。

 体の関係──触れられたくない傷を刺激されたような気分に陥った。


 結婚して八か月。

 未だに体の関係がないと言ったら、大抵の人間は驚くかもしれない。

 今、この場でそう素直に白状すれば、早苗は「嘘でしょ?」と言うに違いない。

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