政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「夫婦のプライベートを人に話す気はない。いくら友人でもだ」
ぴしゃりと言い返された早苗は、ふふっと微笑を浮かべる。
「あら、期待外れな返事。でも、その言い方じゃやっぱり微妙だってことね」
手にするシャンパンを呷り、口をつけていない俺のグラスの横に空のグラスを置く。
「ねえ」と、おもむろにその空いた手が腕に絡みついた。
「それなら……私としない?」
囁きは甘ったるく、今までの付き合いで聞いたことのない声だった。
掴んだ腕を引き寄せ、体を密着させる。
昔から変わらないフローラルの香水が濃く香った。
「ずっと拓人のことが好きだったの。私の気持ち、気づいてたでしょ?」
大学で知り合ってから、ずっと友人として付き合ってきた。
一緒に過ごす時間の中で、好意を寄せられているのはなんとなく気づいていた。
でも、こちらからリアクションを取るものではないから、相手から何か言われればはっきり断ればいいと思っていた。
それがまさか、お互い既婚者となってから口にされるとは。