政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 夫婦仲に自信──隆史さんの口から出てきた言葉に、気持ちはますます落ち込んでいく。


「自信は……正直ないかもしれないです。私のせいで、夫婦仲に亀裂も入れてしまったので」

「亀裂?」

「私が拓人さんを、拒否してしまったから……」


 つい口を滑らせてするっと隠していることを言ってしまい、ハッとして慌てる。

 こう言われれば、いい大人なら事情を察するに違いない。

 私はいったい、おとなりのご主人に何を暴露してしまったのだろう。


「あ、あの、すみません。こんなことを聞かせてしまい。そもそも、私に魅力がないからいけないんです! だから拓人さんも何も気が起きないというか──」


 まずい。誤魔化そうとしているのにこれでは墓穴を掘っている。そんなことを思ったとき。


「信じられないな」


 動揺する私の声を隆史さんが遮る。

 その目は私をじっと見つめ、視線が重なると微笑を浮かべた。

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