政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 居た堪れなくなりソファを立ち上がる。ひとり拓人さんの元を離れてプールのすぐそばまで近づいた。

 顔が火照って熱く、両手で覆い隠して熱を下げる。

 水面に映った自分の顔が困っているのが見て取るようにわかった。


「茉莉花」


 いつの間にかすぐ背後に拓人さんが迫っていて、驚いて振り返った拍子に足もとのヒールがぐらつく。


「きゃっ」


 あっと思ったときには時すでに遅し。

 両手を回してバランスを取ったのも意味なく、体が後ろに向かって倒れていった。


「茉莉花──」


 すかさず腰に回った手が私の体を引き寄せる。

 しかし、もう引き止められないくらい体は傾き──穏やかな水面が勢いよく水しぶきを上げた。


「っ、はっ、っ!」


 背中に水面の衝撃を受け、そのまま水中でもがく。

 でもすぐに力強く腕を掴まれ腰を抱かれた。

 引き上げられるようにして水面から顔が出、必死に酸素を取り込む。


「大丈夫か!?」

「ふっ、はっ、っ」

「茉莉花!」


 水に泳いだ髪が顔に貼り付き視界を邪魔する。

 空いている手で払いのけると、拓人さんが心配そうに私の顔を見つめていた。

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