政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「っ、た、拓人さん、びしょ濡れに」
私同様、拓人さんのシャツもベストもネクタイも水に濡れ、きれいにセットされていた髪も台無しになってしまっている。
私を助けようと手を伸ばしてくれたせいで道連れになってしまったのだ。
「どこも痛めてない?」
私を支えたまま、拓人さんは私の体を気にかけてくれる。
「大丈夫です。そんなことより、ごめんなさい、こんなことになって」
着衣のままプールに落ちるなんて、拓人さんだって予想もしていなかったはず。
だけど、拓人さんは吹き出すようにして笑い始める。私を両手でしっかり抱き直した。
「いや、これも、思い出になるなと思って」
「え……?」
「服のままプールに入るなんて初めてだし、この先もきっとないだろう? なんなら、このまま泳ぎのレッスンでもしてみるか」
「えっ!? このまま、ですか!?」
思わぬ提案に驚いたけれど、拓人さんが楽しそうだからつられるように笑いが込み上げてくる。
顔を見合わせたままクスクスと笑い合い、支えてもらっていた体をそっと離した。
両手をしっかり握り合い、ゆったりと水中を歩き出す。