政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「もう、大丈夫です。さっき、拓人さんの気持ちも聞けたし、不安になんかなりません。だから、早苗さんともこれまで通りお友達でいてください」
私からの返事に、拓人さんは「そうか」と微笑を浮かべた。
「手を引くから、ゆっくり足を水底から離してみて」
「浮かせるってことですか?」
「そう。自分のタイミングで構わないから」
拓人さんの歩くスピードが少しづつ上がっていく。私が下半身を浮かせられるよう勢いをつけてくれているのだろう。
「あ、ちょっと、待ってください」
水の中で歩くことにも慣れていない上、今は着衣の状態。まとわりつくワンピースで体が思うように動かせない。
必死に足を前に出し、握ってくれている拓人さんの手だけを頼りに水底を蹴った。が……。
パンプスの底が水底で滑り、足下をすくわれるようにしてパランスを崩す。
咄嗟に繋いでいる手を力いっぱい握りしめた私を、拓人さんは体が沈まないように力強く引き寄せた。
「やっぱり、怖いですっ。離さないでください」
しがみつくように拓人さんの首に両手を回して抱きつく。必死な様子の私を、拓人さんがフッと笑ったのが耳元近くで聞こえた。