政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


「そういうの、反則。可愛すぎるから」


 くっついた私を離した拓人さんにじっと見つめられる。その目の奥に熱を灯しているのを目撃して、どきんと鼓動が大きく音を鳴らした。

 端整な顔が傾き、ふわりと優しく唇が重なり合う。

 久しぶりすぎる口づけに終始目は開いたままになっていた。

 キスのあとに見つめ合うのは胸がキュッと震えて苦しい。

 目を逸らそうとした私を引き止めるように、拓人さんは再び唇を重ねてくる。

 今度は触れるだけではなく、深く重ねた唇から口内に生温かい舌が入ってきた。


「んっ、ふ、っ……」


 濃厚な口づけはあの夜以来。

 あの日も初めてのくせにキスだけでトロトロにされて、立っていられなくなった私を拓人さんがクスッと笑ったのを今でもよく覚えている。

 何もかも未経験だった私にとって、拓人さんの口づけは上手すぎて困惑するほどで。それまでの人生で感じたことのない〝陶酔〟という感覚を初めて覚えた。


「茉莉花、舌を出して」


 鼻先が触れる近さで囁かれ、鼓動を高鳴らせながら言われた通り舌を差し出す。

 拓人さんは遠慮がちに出した舌に口づけ、そして軽く吸い上げた。

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