国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
寝室にはクイーンサイズのベッドが置かれ、その脇に凌太のベビーベッドがある。しかしここ数か月は柵によじ登ろうとするため私の隣で寝かせていた。
今日は久嗣がいるから、わざわざベビーベッドで寝せたのに。私の隣はぽっかりと空いている。
音を立てないよう気を遣った、考えながらのゆっくりとしたタイピングの音がする。
私はベビーベッドの柵の隙間から手を入れて、近くで眠る凌太の小さな手に触れた。人差し指を差し出すと、かわいい五本の指がそれを掴み、キュッと握ってくる。
心から愛しく思う。凌太がいれば、どんなことでも乗り越えられる。
ふたりの時間が楽しくないわけはないし、ワンオペ育児がつらいわけでもない。家事はやらなくて済むよう久嗣が代行サービスを契約してくれているのだし、この環境は恵まれていると思う。
でも、久しぶりに会った夫は今夜もこの仕切りの向こうに行ってしまうのだと思うと、彼に愛してもらえない悲しみでいっぱいになるのだ。