暗い暗い海の底
「浴室はこちらです。どうぞ、シャワー使ってください。身体、冷えましたよね? 着替えは、何か適当なものを準備しますから」
「そこまでしなくても、大丈夫です……」
「ですが、あなたに風邪などをひかれたら、私が夫に叱られます」
じっと何かを考え込んでいた彼だったが、その言葉が決め手となったのだろう。
「お借りします」
と言って、浴室の方へと消えていく。私は彼がシャワーを浴びている間に彼の着替えを準備した。買い置きしてあった、夫の下着だ。これを彼に着せるのは気が引けるが、下着をつけずにウロウロされる方がもっと気が引けた。
「こちらに着替えを置いておきますね」
私が声をかければ、シャワーの音が弱まる。
「着替えとタオル、置いておきましたから」
「そこまでしなくても、大丈夫です……」
「ですが、あなたに風邪などをひかれたら、私が夫に叱られます」
じっと何かを考え込んでいた彼だったが、その言葉が決め手となったのだろう。
「お借りします」
と言って、浴室の方へと消えていく。私は彼がシャワーを浴びている間に彼の着替えを準備した。買い置きしてあった、夫の下着だ。これを彼に着せるのは気が引けるが、下着をつけずにウロウロされる方がもっと気が引けた。
「こちらに着替えを置いておきますね」
私が声をかければ、シャワーの音が弱まる。
「着替えとタオル、置いておきましたから」