クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「…あ、逢和君…。」
緊張で少しどもってしまって後悔してると、逢和君が近づいて窓ガラスに寄りかかる。
『もう一回』
「…逢和、君。」
『……ハハ。』
「…?」
逢和君の乾いた笑いが何を意味するのかわからなくて、首を傾げる。
逢和君がタレ目を下げて笑って囁いた。
『…たまんない。』
「…!!」
『おーい!いつまではにかんでんだよー!行くぞー!』
小さく聞こえるキヤ君の声に『はいよー』と気だるげに返事した逢和君は、フ、と私に笑いかけてから電話を切り、背中を向けた。
「…寧々、大丈夫?」
両手で顔を覆う私に姫ちゃんが言って、私は首をブンブンと横に振った。