クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
***




「それで?近海とは話せたの?」

「え!?」

カシャッ。

綺麗すぎて息を飲むほどの絶景をバックに、姫ちゃんが私の肩を抱えて写真を撮りながら唐突に聞いた。

絶対変な顔しちゃったよ、今!

「あ…うーん、あはは」

「まだなんだ?ダメじゃん、寧々。うちのクラスで近海と話してないのなんて、もう寧々ぐらいなんじゃない?」

「緊張しちゃってなかなか…えへへ」

「まぁ寧々の問題だから寧々のペースでいいと思うけどさー」

うぅ…ごめんね。ごめんね姫ちゃん。

心底心配そうな顔をしてくれる姫ちゃんに、どうしようもない罪悪感がわいて胸が痛くなる。


…今日まで、逢和君とのことは誰にも言っていない。

うまく説明できそうにないし、変に誤解されちゃうのも嫌だし…いまだに花乃ちゃんにも話せてない。

だって、『近海逢和君は私にアレルギーを持ってるらしい』なんて。

そんな意味の分からない話、誰が信じる…?
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