幽霊。〘透明になった日〙


放課後、教室掃除当番を終えると、先輩との打ち合わせの時間が追ってきていた。

「みなみ〜がんば!」

何故かガッツポーズをしている美音に咲希が…
「みなみが告るんじゃないんだから、頑張らないでしょ」

「まあ、あんまり気負わずにね」

咲希に肩を軽く叩かれて、少し体の力が抜けていく。
きっと私よりも伝える方が緊張しているはずだ。

「うん!ありがとじゃあまた明日ね!」

咲希と美音と別れて1階まで下りると、人がまばらな廊下を前進していく。
秋を感じさせてくれる、温度の低い風が、私のつま先からてっぺんまで包むようにすり抜けていった。
9月下旬ともなると、前までの蒸し暑さ嘘のように消えている。
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