春色の恋−カナコ−[完]
最近のことだけど。

おにいちゃんの結婚が決まってからかな?

お母さんやお父さんと昔の思い出話をしていると、毎回同じことを言われる。

おにいちゃんと私がいつも一緒にいたこと。

すごく仲が良かったこと。

でも、これって兄と妹なら普通じゃないの?

兄妹なんだから、あたりまえだと思っていたけど、どうも普通の兄妹とは違うようで。

「本当に仲が良くて、安心だったよ」

お父さんの言葉は笑って言うけど、お母さんは別のことを言っていたような気もする。

たった二人の兄妹なんだから、仲がいいほうが幸せだよね。

私はいつでもおにいちゃんに甘えていたんだって、大人になってからすごくよくわかった。

いつでもおにいちゃんに守られていて、自分でやっているつもりでも実は助けてもらっている事ばかりで。

だからって甘やかされてばかりだったとも思わないけど、でも幸せだったんだと思う。

お父さんとお母さんが海外で生活していた数年間も、さみしい思いをしないで過ごせたのはおにいちゃんが居てくれたからだし。
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