春色の恋−カナコ−[完]
「あ!」

そうだ!お弁当!

「おにいちゃん、河合さんもお弁当かな?」

「え?ああ、コウスケは今日は食堂で食べていたけど?」

明日ちょっと早起きして、お弁当を作ろうか?

自分の分とおにいちゃんの分を作るんだから、もうひとつ増やしてもそんなに手間は変わらないし。

「お弁当、作ろうかな」

私のひらめきに、おにいちゃんがくすくすと笑っていて。

「コウスケ、料理上手だろ?大丈夫?」

「えっ。それを言われると困るけど・・・」

そうだった。

今日知った事実。

河合さんは料理が上手。とっても。

高校生になってから料理を始めた私だけど、とても足もとに及ばないような気がする。

「あはは。冗談だよ。カナコのお弁当、美味しいよ。作ってあげれば?」

きっと、喜ぶからなんておにいちゃんに言われたら、その気になってしまうよ。
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